アウターチェーンリングの交換

 


チリチリチリチリ……このところペダルを踏むたびにクランクなのかBBなのかチェーンなのか、どこからともなく異音がしていて、それも日に日に音が大きくなってきて気になって仕方ありませんでした。自転車の異音ってどこから発生してるのか、乗ってる最中はなかなか特定しづらいもの。自転車をおりて手でクランクを回しても再現性なかったり。。

このチリチリ異音、その音からして金属どうしの擦れっぽい。だったらやっぱりチェーン周りだろうと、とりあえず普段の倍くらいオイルを垂らしてみても変わらず。ならば疑わしきを順に潰していくことに。

ということでアウターチェーンリング。

フロントギアのアウター(大きい方)の歯の部分だけを交換します。今ついているチェーンリングはすでに26,000km以上走ってすっかり摩耗しています。異音の原因がこの摩耗にあるなしに関わらず、早急に交換すべき状態です。


Amazonで105グレード(R7000)の50Tを購入。5,800円くらい。アルテのが欲しかったけどアルテグラR8000と105R7000ではアームとリングの合わせ面が微妙に異なるというレビューを見かけ、リスクを避けて従来と同じ105(R7000)のリングにしておきました。105のほうがずいぶん安いし。



新しいチェーンリングの歯は少しだけ片流れの台形。これを今から交換・取り付けします。



交換するにはクランクを引き抜いて外す必要があります。そのためまずはチェーンリングの反対側のクランクの外すためにボルトを抜きます。



クランク工具でクランクボルトを抜きます。この工具は以前に買ったBIKE HANDの工具セットに入っていました。





もう片方のボルトを抜くとボルト脱落防止の小さな金具が外れます。この金具、向きが決まっているので取り付け時に間違えないように気をつけます。グリスと汚れでベトベト。汚れは拭き取っておきます。





引き抜くと左クランクが無事外れました。



クランクを抜く前にチェーンをインナーギアに落としておきました。



ゴムハンマーでクランクシャフトをコンコンと叩きます。ゴムハンマーはホームセンターで買ってきた一番安いやつです。350円くらいだったかな。



シャフトが固着しているとなかなか大変なようですが今回は3〜4回叩いただけでこれくらい出てきました。



この段階で手でチェーンを外してシャフトに落としておきます。スムーズにクランクを引き抜くためです。ギアに掛かったままだと抜きにくいので。ただ、手でチェーンを触って思ったことが。
交換して捨てるチェーンとはいえ、作業前に軽くでもチェーンの清掃をしておけばよかったなと。けっこう手で触る機会があるので作業中に手が油汚れまみれになってしまいました。汚れた手で作業するとまたその汚れがあちこちに着いてしまいます。チェーンをザックリとでもきれいにしてから取り掛かっておけば、そうした汚れストレスも軽減されたかなと思います。


さて、作業にもどります。ハンマーで叩き出したクランクを手で引き抜きました。



クランクとチェーンリングを固定しているボルトを六角レンチ(アーレンキー)で外します。固く締まったボルトを緩めようとアーレンキーに力を入れている際、緩んだ瞬間にギアの歯で手をザックリやらないように気をつけたいです。長めのアーレンキーがあれば安全だと思いますがあいにく長いのは持っていませんでした。



インナーチェーンリングとアウターチェーンリングをクランクと固定している4つのボルトを無事外しました。緩めたとき手が軽く歯に当たってヒヤッとしました。



バラした状態です。今回は大きい方(アウター)だけ交換します。



新旧の歯の比較です。上の画像が古い方で下が新しい方。比べると古いほうは歯が丸まっていて摩耗していることがわかります。使い方次第で摩耗具合は違ってくるらしいですが10,000〜20,000キロ走行あたりが交換目安らしいです。これは26,000km走ってるので、まぁ充分に交換レベル。




新しいチェーンリングとクランクを合わせてみました。4本のアームは端の切り方に微妙なカーブがかかっており、正しい合わせ位置でないとぴったり合致しないようになっています。



裏面です。クランクアームとアウターチェーンリングを合わせたボルト穴と同じ位置にインナーギアも合わせて止めます。



インナーギアは裏表の向きがあります。輪の周囲に凸の円弧が出ている方が表面になります。



ギアを組んだら、外したときと逆の手順で組んでいきます。チェーンをシャフトに通してからクランクをボトムブラケットに戻します。2/3くらい差し込んだら、チェーンをインナーギアにかけて、シャフトを最後まで押入れます。



左側のクランクも戻して組みます。ボルトの欠落防止金具も忘れずに正しい向きで差し込んでから止めます。



組戻しできたらチェーンをアウターにかけて試し回し。問題なくスムーズに回ります。これでアウターチェーンリングの交換完了です。



このギアでまた20,000kmは走りたいと思います。さて当初の懸案であったチリチリ異音はこれで解消されるでしょうか。ただクランクを回しただけでは異音はしませんが、実際に走ってトルクが掛かったときにどうだか。



以上、アウターチェーンリングの交換でした。
これまでならショップに頼んで交換してもらうところでしたが、輪行ロングライドが続いてちょっとフトコロ具合が寂しかったのでショップ工賃の節約で自力でやってみました。
クランクが固着していたら叩いてもなかなか外れないかも、とか、チェーンリングを外すときに怪我に注意、とか、いくつか気をつけるべき点はありますが、ゴムハンマーやクランク工具さえ用意できれば難易度はさほど高くはない作業かなと。
とはいえ自己責任作業。作業に不安があればショップに頼んでやってもらったほうが間違いないです。なにか困ったことがあったら相談できるショップとの関係を保つのも大事。これは自分でやる、これはショップに頼む、という具合にコストバランス、サポートバランスをとっていきたいと思います。